引っ越してきたばかりの街では、いつもの買い物でさえ少し緊張することがあります。道がまだよくわからない。知っているお店も少ない。気軽に話せる人も近くにはいない。仕事や新しい生活には少しずつ慣れてきても、休日になると「どこへ行けばいいのだろう」と迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
せっかく富山へ来たのだから、何か新しいことを始めてみたい。けれど、いきなり地域の集まりへ参加したり、積極的に友達をつくったりするのは、少し気が重い。そんな方に知ってほしいのが、ボルダリングジムという場所です。誰かと約束をしなくても、自分の都合のよい日に行ける。無理に会話へ入らなくても、自分の課題に集中できる。それでいて、同じ壁を見ながら体を動かしているうちに、少しずつ顔を覚える人が増えていきます。
引っ越し後は、思っている以上に気を張っている
新しい土地での生活は、新鮮であると同時に、小さな緊張の連続です。職場では新しい人の名前を覚え、生活ではスーパーや病院、役所までの道を調べる。慣れない環境の中で、いつも以上に周囲へ気を配っていることもあるでしょう。
家に帰るとほっとする。けれど、仕事と家を往復するだけの日が続くと、新しい街に住んでいても、まだ自分の生活が始まっていないように感じることがあります。
そんなとき、日常の中に一つでも「今日は、あそこへ行ってみよう」と思える場所があると、街との距離は少しずつ縮まっていきます。特別な予定がなくても行ける。誰かを誘わなくても過ごせる。行くと少し気分が変わる。新しい土地で最初に必要なのは、大勢の知り合いではなく、自分のペースで通える場所なのかもしれません。
ボルダリングは、一人でも始めやすい趣味
ボルダリングというと、経験者や体力に自信のある人の遊びに見えるかもしれません。実際には、一人で来店し、自分のペースで登っている方が多くいます。
決められたテープをたどりながら、スタートからゴールを目指す。難しい課題に挑戦する日もあれば、その日に登れそうな課題を少し楽しんで帰る日もあります。誰かと勝負する必要はなく、自分の体力や気分に合わせて過ごせます。
誰かと予定を合わせる必要がないため、仕事が早く終わった日や、休日に少し時間ができたときにも立ち寄れます。まだ知り合いが少ない土地でも、一人で始められることは大きな安心材料になります。
無理に友達をつくらなくても、人の気配を感じられる
一人で過ごす時間は好きでも、知らない街でずっと一人なのは寂しい。そう感じることもあると思います。
ジムでは、それぞれが自分の課題に取り組んでいますが、完全に孤立しているわけではありません。同じ壁を見て、同じ課題に挑戦している人がいる。登っている人を少し離れた場所から眺めたり、休憩しながらほかの人の動きを見たり。それだけでも、同じ時間を共有しているような感覚があります。
会話をしなくてもかまいません。話したいときには少し話し、今日は静かに過ごしたいと思ったら自分の課題に集中する。人との距離を自分で決められることが、ボルダリングジムの心地よさの一つです。
共通の課題があるから、会話も自然に始まる
新しい土地で人と知り合おうとすると、「何を話せばいいのだろう」と考えてしまうことがあります。ボルダリングでは、目の前に共通の話題があります。「あの課題、難しいですね」「次の足は、どこに置きましたか?」。そんな一言から、自然に会話が始まることがあります。
登っているときに「ガンバ」と声をかけてもらったり、登れたときに「ナイス」と言ってもらったりすることもあります。だからといって、その後も話し続けなければいけないわけではありません。少し言葉を交わして、それぞれの課題へ戻る。それくらいの関わり方でも十分です。
友達をつくらなければと構えなくても、通っているうちに、いつの間にか挨拶を交わす人が増えていく。新しい街でのつながりは、そうした小さなところから始まります。
「よく行く場所」ができると、街が少し身近になる
引っ越してきた街が自分の街に変わっていくきっかけは、有名な観光地へ出かけることだけではありません。よく行くスーパーができる。好きなお店が見つかる。顔を覚えている人が少しずつ増える。そうした日常の積み重ねで、街は少しずつ身近になっていきます。
ボルダリングジムも、その一つになれる場所です。初めは壁を登りに行くだけ。何度か通ううちに、受付で挨拶を交わし、見覚えのある人が増えていく。「富山に住んでいる」だけだった毎日が、「自分の通う場所が富山にある」という感覚へ変わっていく。その変化は小さくても、新しい生活を支えてくれるものになると思います。
天候を気にせず、自分の時間を過ごせる
休日の過ごし方を探していても、雨や雪の日には出かける場所に迷います。富山は、雨や雪の日が多い土地です。
ボルダリングは室内で楽しめるため、天候に左右されにくいのも特徴です。外へ出かけにくい日でも、体を動かして気分を切り替えられます。課題に集中している間は、仕事や慣れない生活のことから少し離れられることもあります。
リッジラインは、それぞれの過ごし方を大切にしている
富山市のリッジラインでは、初心者の方や一人で来店される方にも、安心して過ごしてもらえる場所を目指しています。予約は必要ありません。初めての方には、基本的なルールや登り方を案内します。レンタルもあるため、特別な道具をそろえてから始める必要はありません。
一人で黙々と登る方もいれば、顔なじみと少し話しながら過ごす方もいます。登りたい日はしっかり登り、疲れている日は少しだけ体を動かす。常連さんの輪へ入ることや、イベントへ参加することも求めていません。それぞれが、自分にとって心地よい距離感で過ごせる場所でありたいと考えています。
まずは、街の中に一つだけ行ける場所を
富山へ引っ越してきたばかりだからといって、急いで新しい人間関係をつくる必要はありません。まずは、自分一人でも行ける場所を見つける。少し体を動かし、気分を切り替え、また来てもいいと思えたら、もう一度行ってみる。その繰り返しの中で、見慣れた景色や顔が少しずつ増えていきます。
最初から登るのは少し不安という方は、見学だけでもかまいません。まずはリッジラインの雰囲気を、少し覗いてみませんか。

